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工事中仮囲いを活用した東京フォトグラフィックリサーチによるアート展示実施

2020.06.01

 2020年6月、最先端の写真・映像表現を通じて2020年代の東京を多様な視点で見つめ直し、未来の社会へと残し伝えることを目的としたアートプロジェクト集団「東京フォトグラフィックリサーチ」による有楽町企画第一弾を実施します。

有楽町アートサイトプロジェクト

 2020年代の東京を写真‧アート表現によって再発見していくことを目的としたアートプロジェクト「東京フォトグラフィックリサーチ(以下、TPR)」(後援:一般財団法人カルチャー・ヴィジョン・ジャパン)が、風景としての都市の姿と、情報空間における都市の姿をテーマのひとつに作品を制作している2名の作家をキュレーションし、有楽町の街並みを異なる視点で見つめ直すきっかけとなるような新作アートウォールを制作しました。変化する街並みの象徴ともいえる工事中の仮囲いを活用することで、今ここにしか存在しないアートに、街を訪れる誰もが触れることができる企画です。

【作品紹介】

顧剣亨/『Yurakucho202004』,2020

 有楽町を囲むビル群から撮影した複数の写真を、作家が「デジタルウィービング」と呼ぶ独自の技法によって画像編集ソフト上で縒り合わせた作品。1ピクセルずつ数万回におよぶ手作業で処理して出現した、複数の視点からなる「有楽町」の姿が、幅約10メートルのイメージとして立ち上がる。

永田康祐/『Semantic Segmentation Yurakucho)』,2020

 作家によって撮影された有楽町の風景を元に、自動車の自動運転技術などに利用されているのと同種の人工知能による、物体検出アルゴリズムを用いて制作されている。あらかじめ与えられたデータを元にしたAIの検出・認識の不確かさを前に、私たちの認識の成り立ちと在りようが示されている。

◆東京フォトグラフィックリサーチ共同発起人・小山泰介氏コメント

 工事現場の仮囲い壁を、アートを体験する場として捉え直すことに、とても可能性を感じています。都市を経験することの魅力のひとつが「予期せぬ出会い」であるように、このアートウォールもまた、意図せず作品と出会ってしまう場です。日々この街を利用する多くの人が、最初はアート作品だと気づかないかもしれません。しかしある時、作品に描き出された何かに気づいた時に、突如アートとの出会いが始まり、この街と私たちとの関係性に新たな気づきがもたらされます。そんな体験が、有楽町の様々な場所で起こることを楽しみにしています。